新型コロナウイルス感染症の世界的流行下における自殺予防・自死遺族支援のための学際的・共同研究集会の報告

新型コロナウイルス感染症の世界的流行下において自殺の増加が懸念されています。全国精神保健福祉連絡協議会は、統計数理研究所共同利用による研究集会の開催に協力しましたので報告します。この研究集会は、学際的な研究者、自治体や地域の自殺予防・自死遺族支援の実践者が集い、研究発表や報告を行い、自殺予防・自死遺族支援について話し合うものです(2021年10月29日~30日開催。ウエブ参加を含めて延べ200人が参加)。
シンポジウムⅠ「自殺予防・自死遺族支援の取組報告」では、さまざまな場における実践の報告がありました。シンポジウムⅡ「自殺の動向とメンタルヘルス」では、疫学研究等の研究成果の報告がありました。シンポジウムⅢ「若年者への自殺予防の取組―生徒・学生への自殺予防教育―」では、新型コロナウイルス感染症の世界的流行下において、若年者の自殺者数の増加が報告されていることから、生徒・学生への自殺予防教育に焦点を当て、その理論的枠組みや具体的な導入方法、そしてこれまでに蓄積されたエビデンスについての報告がありました。シンポジウムⅣでは、シンポジウムⅠ、Ⅱ、Ⅲの報告をもとに、国および地域における自殺予防・自死遺族支援のあり方について話し合いました。その中では、社会的対策と精神保健対策のつながり、現場と研究の協働、ジェンダーセンシティブな対策の必要性、自殺未遂者支援などの医療現場・地域での支援の強化、地域コミュニティーとの協働、自死遺族支援や総合支援を持続可能なものにする必要性などの意見がありました。また、疫学・統計研究と事例・臨床研究を同時に推進し、その成果を活用していくことが必要であるとの意見がありました。
自治体や地域における自殺対策の体制整備は市民の貴重な財産です。新型コロナウイルス感染症の世界的流行下において自殺対策の推進体制が棄損されてないか調べ、その再強化に取り組む必要があります。
自殺対策についての、実践や研究を含む学際的な共同研究集会は久しく開催されてきませんでした。自殺対策には、自治体や地域の自殺予防・自死遺族支援の実践者を含む、文理融合型の共同研究の推進が必要です。この研究集会の開催にご協力いただいた皆さまに感謝を申し上げるとともに、今後もこのような研究集会の開催に協力していきたいと思います。(報告はこちらから)

全国精神保健福祉連絡協議会
会長 竹島 正

過去のトピックス


2022.01.25
新型コロナウイルス感染症の世界的流行下における自殺予防・自死遺族支援のための学際的・共同研究集会の報告を掲載しました
2022.01.06
全国精神保健福祉連絡協議主催、TICCこころのケガを癒すコミュニティ事業(Trauma Informed Care/Community:TICC事業)の企画協力にて「第1回トラウマインフォームドケア企画研修」を開催します
2021.09.27
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行下における自殺予防・自死遺族支援のための学際的・共同研究集会が開催されます
2021.08.11
「Trauma Lens-こころのケガに配慮するケア」が公開されました
「TICCこころのケガを癒やすコミュニティ事業」が公開されました
「こころとくらし-精神障害当事者の地域生活にかかわる研究結果紹介サイト-」が公開されました
2021.06.21
アーカイブスを設け、クラーク勧告を掲載しました
2020.04.21
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2020.03.11
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2020.03.04
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